2012年3月

H24年度パンフレット更新しました

博士研究員 小西繭(2008.4.1~ ) 003HP.jpg

 

目的

里山は,人々が長い歴史の中で培ってきた技術によって自然を巧みに管理することにより存在しています.私たちはその様々な公益的サービス(農林産業,生物多様性の保全,水源涵養,情操教育,リクリエーションなど)を間接的,直接的に受けています.しかし,近年全国的に問題となっている里山地域における深刻な後継者不足によって,有益なサービスをもたらす里山の機能が失われようとしています.

 「信州」という言葉から里山をイメージする人は多く,里山は信州ブランドを生み出す重要な環境資源と言えます.本研究では,里山の保全さらには信州ブランドの保護という観点から,生産者(里山住民)および消費者(市街地住民)を対象とした双方向アンケート調査を実施しました.そして,里山の資源活用に対する両者の潜在的な共通認識や意識のギャップを明らかにし,長期的な視野に立ったより有効な資源活用について考察しました.里山における環境保全と地域資源活用の両立の可能性,および,希少生物の残された生物多様性によってもたらされる里山の市場価値について探ります.

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調査方法

アンケートでは,里山保全への意識とともに,生産者には地域農産物のブランド(商品)化への意欲について,消費者には里山農産物のイメージについて尋ねました.また,里山の存在価値について貨幣価値(支払意思額,WTP)へ代替する仮想評価法(CVM)を用いて評価しました.調査対象には長野市南西部に位置する里山地区を選びました.ここはリンゴ畑や棚田の広がる典型的な里山であり,生物多様性の指標となる絶滅危惧種シナイモツゴの生息地でもあります.また長野市中心部の通勤圏内にあるにもかかわらず,高齢化や過疎化の問題を抱えています.調査には里山地区に在住する満18歳以上の全住民(およそ1300名),長野県市街地および東京都23区内に在住する満20歳以上の各500名(男女各250名)の方々にご協力いただきました.長野県市街地および東京都の住民の方には,ネットリサーチ(NTTナビスペース株式会社,東京)を利用し,里山地域の住民の方には,紙面によるアンケートを実施しました.

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成果

  • 希少生物のいる里山環境の保全に対し、生産者も消費者も高い関心をもつ
  • 市街地住民の保全意識は、里山住民と比較して相対的に高い
  • 希少生物のすむ里山環境、豊かな生物多様性は、農産物に付加価値を与えている
    • 里山の保全と結びつけた商品の開発
  • 里山住民は商品化に意欲的、商品もある
    • しかし商品化の担い手(手法・人材)が不足している
    • 通販、ネット販売、広報など
  • 里山の商品を信州のブランドとして他地域へ発信すること・・・地域資源の活用方法の重要な手段 konishi_3.4.png

博士研究員 伊藤吹夕(2011.4.1~ )

目的

本プロジェクトは、未利用微生物資源の開拓・難培養微生物の探索を行い、産業面での有効利用を目的とし、以下2項目について研究を推進している。

1.長野県内における未利用微生物の新規探索 長野県の豊かな自然の中には生物にとって特殊環境と思われるサイトが散在している!
例:火山、廃鉱山、洞窟、温泉、珪酸河川 etc.
長野県内でサンプリングを行い、微生物相の解析を行う。 特に貧栄養培地でも生育する菌や菌体外ポリマーを生産する菌などに焦点をあて、スクリーニング作業を行っていき、産業利用を目指す。

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2.微生物が作るナノ材料の開発 微生物の中には、培養基質をナノ構造化するものが存在する。そこで工業・産業的にも重要な資源の1つであるシリカ化合物をターゲットとして、微生物を利用したシリカナノ材料の作成と応用を検討している。

成果

1.佐久市最勝洞でのサンプリングを行い、PCR-DGGE法を用い、微生物相の解析を行った。
2.Fusarium oxysporum が培養基材をナノ構造化することを確認し、そのメカニズム解明と応用研究を行っている。

博士研究員 松村 哲也(2011.4.1~ )

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