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豊かな里山環境がもたらす地域ブランドとその保護機能

博士研究員 小西繭(2008.4.1~ ) 003HP.jpg

 

目的

里山は,人々が長い歴史の中で培ってきた技術によって自然を巧みに管理することにより存在しています.私たちはその様々な公益的サービス(農林産業,生物多様性の保全,水源涵養,情操教育,リクリエーションなど)を間接的,直接的に受けています.しかし,近年全国的に問題となっている里山地域における深刻な後継者不足によって,有益なサービスをもたらす里山の機能が失われようとしています.

 「信州」という言葉から里山をイメージする人は多く,里山は信州ブランドを生み出す重要な環境資源と言えます.本研究では,里山の保全さらには信州ブランドの保護という観点から,生産者(里山住民)および消費者(市街地住民)を対象とした双方向アンケート調査を実施しました.そして,里山の資源活用に対する両者の潜在的な共通認識や意識のギャップを明らかにし,長期的な視野に立ったより有効な資源活用について考察しました.里山における環境保全と地域資源活用の両立の可能性,および,希少生物の残された生物多様性によってもたらされる里山の市場価値について探ります.

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調査方法

アンケートでは,里山保全への意識とともに,生産者には地域農産物のブランド(商品)化への意欲について,消費者には里山農産物のイメージについて尋ねました.また,里山の存在価値について貨幣価値(支払意思額,WTP)へ代替する仮想評価法(CVM)を用いて評価しました.調査対象には長野市南西部に位置する里山地区を選びました.ここはリンゴ畑や棚田の広がる典型的な里山であり,生物多様性の指標となる絶滅危惧種シナイモツゴの生息地でもあります.また長野市中心部の通勤圏内にあるにもかかわらず,高齢化や過疎化の問題を抱えています.調査には里山地区に在住する満18歳以上の全住民(およそ1300名),長野県市街地および東京都23区内に在住する満20歳以上の各500名(男女各250名)の方々にご協力いただきました.長野県市街地および東京都の住民の方には,ネットリサーチ(NTTナビスペース株式会社,東京)を利用し,里山地域の住民の方には,紙面によるアンケートを実施しました.

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成果

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